[201705]学校で学んだことを上手に使えるようにする

中学生になってから2か月が経ったRさんとKさんは、それぞれの学校での英語の授業の悩みが尽きないようです。

学校の授業は定期テスト・入試を見据えて組み立てられている

それぞれ違う学校に通う二人は悩みの詳細な内容は違いますが、共通して言えることが「先生が説明する日本語の文法用語が理解できない」「単語の発音練習はするが、文全体で意味を考えながらのリーディングはやらない」というものです。この悩みは彼女たちに限ったことではないでしょう。まず「文法用語が理解できない」理由は「言葉を使う時にいちいち文法のことなど考えない」からです。特に日本語にない前置詞・冠詞などは想像できるはずがありません。そして「意味を考えながらのリーディングをやらない」理由は、入試でリーディングは要求されないからです。学校の授業では筆記式の定期テスト、入試というシステムをふまえて、先生方はきちんとした文法用語で説明をし、日本語と英語を対比させながら理解を促さなければなりません。しかし子どもにとって「想像が出来ない内容の説明を一方的に聞くこと」や「意味を考えないリーディング」はとても苦痛なのです。にもかかわらず学校で学習する内容は非常に重要で、コミュニケーション英語に文法学習は不可欠です。ただ学校の授業は、授業時間・人数の多さ・教科書の進度等制限が多く「習った文法を使う」「意味を考えながら読む」余裕がないのです。このことは以前から問題視され、2020年からのセンター入試廃止を意識して国をあげて改革中ですが、実際の現場では目立った変化は感じられません。だからこそ少人数で行う当校のレッスンでは、学校で習った文法を「体験しながら理解する」チャンスをできる限りたくさん与えようと常に意識しています。今日は文法を使うという点において、どうすれば学校の授業に前向きに取り組めるのかを、今日実際にレッスンで行ったゲームを通じて紹介させていただきます。 

文法は間違いを繰り返しながら何度も体験しないと身に付かない

今日のゲームのターゲット文法事項は「be動詞と一般動詞」「三単現のS」です。使用動詞は中学生になってすぐ習う“am,is,are” と“come”の4つに絞りました。

A: “I am from Japan.”       B: “I come from Japan.”       

A: “You are from Japan.”  B: “You come from Japan.”       

A: “He is from Japan.”    B: “He comes from Japan.”       

A: “She is from Japan.”     B: “She comes from Japan.”

二人組になって上記の英語を言い合うだけの単純なゲームです。何回もパートを変えながら行います。ゴールは二人で協力し合いながら上記のような練習が何回できるか?です。上記ABの対応する2文は日本語訳では殆ど意味は変わりませんが、文法的には確実に動詞の種類が違う。だからSが付くということを気づきを促すゲームです。お気づきかと思いますがこのゲームにはまだ学校で習っていない「三単現のS」が含まれているため、もちろん二人とも「三単現のS」が確実に抜けます。その都度Sを付けるようにアドバイスしますが、彼女たちは何故そうしなければならないのか全く分かっていません。しかしとりあえずゲームのルールらしいことは理解できます。ゲームを楽しみたい一心で主語を入れ替え、何度も間違いを指摘されながら練習しているうちに「どんな時にSを付けるのか」想像するようになっていきます。そして終了するころには「分かった!ここにいない人のことを話す時にSを付けるんだ!」という気づきが生まれます。その気づきが100%正解でない場合はもちろんありますが、彼女たちは体験を通じで文法を学習したことになるわけです。この後で学校の授業を受ければ、必ず学校の先生の文法用語も理解できるようになります。大切なことは、最初からルールだけを教えるのではなく、子どもの想像力を信じて考えさせるということです。

スピーチの内容は年齢に応じてステップアップする

中学生になってからは、スピーチの中に「自分ならではのエピソード」を加えなければなりません。難しく考える必要はないのですが、テーマが単純だと結構考えてしまいますよね。例えば今回のテーマである自分の名前やニックネーム。自分の名前は既に固有名詞だからエピソードも何もない!!・・・などど言い切らずに、自分の名前は好き?または嫌い??その理由は??などと自分を見つめなおす事も大切です。さらにレベルが上がった時に、自分の名前についてはきちんと英語で説明できるようにするべきです。日本人の親たちは子どもを授かると「何と名付けよう?」「漢字は何を使用しよう?」と生まれる何ヶ月も前から真剣に考えますよね。そんな両親の愛情を感じながら自分の名前のことを英語で話せるのは日本人の強みです。欧米の人々は驚くほど漢字の文化に興味を持っていますよ! 今日はスピーチチャートを作って、物事を理論的に話していく・・・という手段を練習しました。小学生の時からスピーチを練習してきた彼女たちは、アイコン→マッピング→スピーチチャートと一つづつレベルを上げながらより長く、意味の深いスピーチにトライしています。スピーチチャートがあると話があちこちに飛ばずに、同じテーマごとにきちんと順番に話を進めていくことができます。このチャート見ながら練習して、次回は暗記しましょう!! 

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